注)この作品は、「三日月の船」の同志・瀬音様より、月の輪堂との相互リンク記念に頂いた
何と、特殊系ジャンルの新境地!
【宇佐見家>弘樹】、宇>ヒロ作品です!
とても素晴らしい作品で、皆さんに自慢したくて、宝物部屋への展示のお許しを頂きましたが、
特殊系&裏作品となっておりますので、閲覧の際には、ご注意くださいませね!
18歳以上で、裏系ドンと来いな、お姉様でも、
特殊系はちょっと…と思われる方はご遠慮下さい。
宇>ヒロ上等!待ってました!と仰って下さる同志さまは、
新しい世界へ、レッツ・スクロール! (>(∀)<) カモ〜ン!
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白く細い躰が汗を光らせ、揺れる。
これだけ近くで触れているのに遥か遥か遠い。
⊂熱帯夜⊃
この躰が、白磁のような美しい躰が父のものになっているのを知ってしまったときから何かが狂い始めた。
秋彦が自由に生活ているのは、弘樹の躰が理由だったのだ。
弘樹は、愛しい秋彦のために、父に躰を売ったのはもう何年も前からになる。
自由を与えるために。
どれほど頭に血が昇った事か。
どれほど嫉妬の情に囚われたか。
弘樹の心は知らないだろう。
何もかも与えられる秋彦。
次々と奪われていく私の生きる自由。
秋彦に与えられるものは総て欲しい。
奪い取って、足りない何かを自分のものにしたい。
どうして秋彦にだけ与えられて私は無くすばかりなのか。
約束された宇佐見の地位など要らない。
この生活の終わりだけを約束してくれ。
そしてその間、奪う者として生きることを許してほしい。
「んんっ、あッ」
甘い声で現実に引き戻される。
なんて熱い。焔に灼かれるような。心も身体も焦がされる。
それと同時に暗く黒い欲望が渦巻く。
弘樹の心は秋彦に。
躰は父に。
――手に入れることができない。
秋彦に好かれるようなものも、父のような権限も持ち合わせていない。
それならば、只でさえ離れ、崩れていく心と躰を侵して犯してもっと引き裂きたい。
シーツを握り締めている手を無理やりに引き剥がし、自分のそれと重ねる。
びくりと跳ねる弘樹の躰。
この手に弱いのは知っている。
初めて躰を重ねたとき、疲れ果て堕ちていく意識の中、
私の手を震える指先で絡め取り、「秋彦」と呟いた。
その時理解った。
父に、私に抱かれるのは、この手が似ているからだ。
最初こそは激しい感情に捲かれたが、この手が、この秋彦に似た手がなければ、あの甘い熱を味わうことができないと割り切るようにした。
嗚呼、この想いをシーツに浮かべて、深く深く沈めたい。
弘樹が触れるまで。
熱く息苦しい心の熱帯夜から、触れることの叶わない心、唇に触れようと抜け出したい。
*終*