忍さんより、素敵なお誕生日祝いを頂きました♪

 

福   音


昨日は俺が草間園に拾われた日、つまり誕生日。
毎年忙しくて、あまり気にした事はない、なんてことのない日。

…去年までは。

あぁ、今年もそんな季節か、とニュースで台風の映像を見ながらぼんやりと考えていた。
そんな俺を見て、疲れていると思ったのかヒロさんが珍しく自分から寄ってきてくれる。

「…お前、まだ病院忙しいんだろ?大丈夫なのか…?体調…」
うわ。ちょっと嬉しいですヒロさん…。
俺の事心配してくれてるんですね!!

思わず飛び付きそうになる自分を押さえつけ、次の言葉を待て!の体勢で待つ。
「そういえば、今日お前の誕生日だったな…。何か欲しいモノとかないのか…?
つっても俺!は無しだからな!」

「欲しいモノですか?うーん、ヒロさん以外…?すみません、俺、ホントに
物欲とかないので…。思いつかないです…。すみません…」

チッ!と舌打ちしたヒロさんがおもむろに立ち上がると自室に向かった。
あれ?ヒロさんもう離れるんですか…?俺、何か変な事言ったかな…?


なんて事を考えていたら、ヒロさんが眉間に皺をたくさん溜めて戻ってきた。
何故か手にはカメラ。

????頭の上にクエスチョンマークを溜め込んで、ヒロさんの行動を見守る。

「勘違いするなよ!お前が、俺の寝顔の写真しかないって嘆いてたって津森から
聞いたから…!!ききききき今日は誕生日だからな…!特別だっ!!
いいか、動くなよ!」


そう、一気に巻くしたてたヒロさんはまた俺の隣に。嬉しくなった俺が思わず抱
き寄せても、ヒロさんは抵抗しない。見ると、やっぱり、というか真っ赤ですよ
ヒロさん…。かわいいなぁ…!


「いいんですか?ヒロさん、写真撮られるのあんなに嫌がってた…!痛いですよ
ヒロさん!わかりましたから、そんなにバシバシ叩かないで…。」

無言でこっちをにらみつけるヒロさんがもうホントに可愛くて、
にやつく顔が止められない。


でもやっぱり恥ずかしいのか、下を向いたままのヒロさんがいきなり俺を撮りだした。

静かな部屋にシャッター音が響き渡る。
ってヒロさん…。俺を撮ってどうするんですか…。

思わずカメラを奪った俺は、まだ下を向いたまま動かないヒロさんに一言。
「ちゃんとこっち向いてくれないと、襲いますよ〜!」

バッ!と音がしそうな位に顔を上げたヒロさんに苦笑いしつつ、パチリ。
額に、目尻にキスを降らしつつまたパチリ、パチリ。擽ったいのか、ちょっと笑
ってしまうヒロさんをまたパチリ。


10枚は撮っただろうか、使い捨てカメラは後数枚で終了する。
開き直ったのか、ヒロさんも俺に向けてパチリ。
お互い、笑いながらの撮影会は、俺の心に変化をもたらす。

まさかヒロさんが恥をしのんでこんな事してくれるなんて…!

気付かないうちにくすぶっていたらしい俺は、
澄んだ水に放り込まれたような感覚に陥り、
どこかで綺麗な音が響いた。

…あぁ、こういうの福音って言うんだっけ…。


たくさんの幸せはいつもヒロさんが教えてくれる。

気付かないうちに泣きそうになっていた俺は、最大級の笑顔でお礼を。
「…ありがとうございますヒロさん!大好きです…」「…バーカ。…俺もだよ。」



早速次の日、現像に出し、ついでにヒロさんの笑顔の写真を引き伸ばして見せたら、
殴られたのはまた、別の話。

END


 

月の輪しゃんホントにおめでとうございます。無駄に長くなりましたが、
こんなんで良かったですか…??←ドキドキ
福音は、良い知らせ、という意味ですが、この話では幸せな音、というニュアンスです!
読み返したら恥ずかしいです!

では失礼しました!
 

 

いつも、同盟の会議室でお世話になっている忍さんが、

月の輪のお誕生日お祝いにと、SSを書いて下さいました!

すっごく可愛くて優しくて綺麗なお話で、クマ、感涙です。(つ(・)T*)マジ

忍チン、ステキな宝物を有難うございました!

リアルで最近嬉しいお祝いごとのあった忍チンにも

幸せの福音が、これからもいっぱいいっぱい訪れますように!!

m(*^(∀)^*)m

2009.2.19

∩(〜(・)〜)∩ BACK
1