**「白地図に色付け」のHONAMI様の素敵フリー小説第一弾**

 

 

 

温度を分けあう合い言葉



 今日も暑い。
 この暑い中、エアコンの効いた部屋で冷たいアイスを食うのは、

かなり最高に近い贅沢だと思う。
 だけどもっと最高なのは。

「ヒロさん、さすがに冷え過ぎませんか?」
「そーだなー…」
 お互いわかっていて、だけど言わない。
 その代わりに。
「ちょっと…『さむい』」
「はい。」
 それが俺達の合い言葉。
 野分の温度を分けてもらう。

 だけど、普段から体温の高い野分には、暑すぎるかもしれない。
「お前、暑くねーのか?」
 右手は野分のシャツを掴んだままだけど。
「平気で…いや、やっぱりちょっと暑いですね。俺もアイスが欲しいかな。」
「まだあるぜ。冷蔵庫。」
 離れると言われなかった事に安堵しながら、何気ないふうを装って言った。
「ちょっとでいいです。だからヒロさんのぶん、おすそ分けして下さい。」
 そうして重ねられたくちびるは熱くて。

 ――バカ野分、こんなんで涼しくなんかなるかよ。
 それでも抵抗しないのは、夏バテのせいにでもしておこう。



 いちばんの贅沢は、ふたりで過ごす熱い時間。




   END


  後書き: 暑中見舞い企画、エゴ組編。テーマは「暑い」かな? 

「熱い」も混じってますが。
 ヒロさんの「さむい」は最強技です。


2009.8

HONAMI様、会議室では、いつも熱〜い考察と語り愛を有難うございますv

大ファンなHONAMI様宅の、待望のフリー企画、もう大喜びで、ウハウハお持ち帰りさせて頂きましたw

フリーでちゃかりお部屋開設…なんて、ストーカーちっくな申し出を快諾下さり有難うございますw

HONAMI様の作品をクマ屋敷に飾れる嬉しさ♪♪ 勇気を出してお願いしてヨカッタw

これからも、ストーリーテラーHONAMI様の素敵作品、楽しみにしておりますね。

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